2015年5月20日水曜日

vCloud Air を学ぶ(2) ハイブリッドクラウドの意味


今日はvCloud Airの"ハイブリッドクラウド" という意味について解釈を考えてみたいと思います。

vCloud Airは、「真のハイブリッドクラウド」という表現をしているのをよく見ます。
ハイブリッドというと、車のイメージが強いですが、ハイブリッドカーもガソリンと電気の両方のエネルギーを効率よく使うという仕組みです。vCloud Airも、オンプレのリソースとパブリッククラウドのリソースを上手に使い分けましょうという意味をさしています。

実際、いろいろなパブリッククラウドサービスがありますが、現在オンプレの環境をすべて、パブリッククラウドの持って行くことは、現実的に可能なのでしょうか?
SOHOや小規模な企業であれば可能でしょうが、ある程度の規模の会社であれば、ADや大容量のファイルサーバー、基幹システムホストとの連携サーバーなど、なんらかのサーバーはオンプレで運用しざるを得ないケースがあると思います。

その際に、他社のクラウドサービスの場合は、そのクラウドサービスのWEB画面から仮想マシンの設定やネットワークの設定を行い、オンプレ側はvSphereであれば、vCenter Serverを経由して、vSphere Web Clientを使って、設定することになるかと思います。

だいたいお察しが付くかと思いますが、この場合、パブリッククラウドとオンプレの環境で別々のコンソールを使い、別々の概念で管理を行う必要があり、管理が一元的ではなくなってしまいます。

もっと、突き詰めて考えてみましょう。今までオンプレだったサーバーを、AWSに引っ越しました。
実際のオンプレ仮想マシンのAWSへの投入に対する情報はたくさん有り、簡単に移行できました。

では、もっと安いクラウドサービスができてそのサービスに引っ越すことになりました。
または、仮にAWSのパフォーマンスだと、業務に支障が出ることがわかり、一旦オンプレにその仮想マシンを戻すことになりました。

さあ、この際の手順はAWSから詳細な手順は、どれだけあるのでしょうか?
仮想マシンをお引っ越しする際の回線費用はどうでしょうか?

Windowsの仮想マシンであればまだ、よいのですが、AWS Linuxでサーバーを構築した後、それをオンプレに引っ越しできるのでしょうか?

オンプレに戻すのに手探りで仮想マシンを戻すとなれば、危険性もありますし、調査等に時間を要すれば、業務にも支障が出ます。

いずれも頑張ればできないことはないですが、時間的な問題、コスト的な問題、面倒な手間のかかる事が予測できます。

 vCloud Airは、オンプレもvSphere基盤の環境、vCloud Airの基盤もvSpherer基盤であり、VMware Toolsの入ったオンプレの仮想マシンをそのまま、vCloud Airにポイっと持って行けばそのまま動作します。また、vCloud Airで構築した仮想マシンも、VMware Toolsをインストールしますので、その仮想マシンをオンプレに簡単に持ってくることができます。

仮想マシンの持ち込みも持ち出しも、前回の投稿の通り、vCloud Airはリソース貸しのサービスですので、トラフィック量等に関係なく固定料金の支払いでOKです。

では、先ほど問題提起した管理の面は、パブリックとオンプレで分かれるのかと言うと、
厳密言えば管理区分としては分かれますが、1つのコンソール画面で、オンプレvSphere環境とvCloud Airの仮想マシンを管理できます。

その統合管理を支えるツールとして
  • vCloud Connector  (vCC)
  • vCenter Serverにプラグインである VCHS Plugin
の2つが用意されています。

vCCは、オンプレの仮想マシンのvCloud Airへのお引っ越しや、vCloud Airからオンプレへのシームレスなお引っ越しのオペレーションが可能です。

現実を考えた時に、オンプレとパブリッククラウドを、お互いの良さを利用し、かつ効率的な管理を実現する、それがvCloud Airの目指すところで有り、ハイブリッドクラウドなのだと思います。

今後、AWSやAZURU、vCloud Airなどそれぞれのパブリッククラウドを統合的に管理できるツールが出てくることは想定できますが、それぞのサービスでできることは、違っていますので各サービスのできることだけができるツールとなると設定できる項目はかなり減ってくるでしょう。

基本的にvSphereでできることは、 vCloud Airでもできるということになりますので、この2点間において仮想マシンに対する設定内容は同じですので、オンプレとクラウドで同じ操作感が得られます。

まさに、vCloud Airは、vSphereをオンプレで使う人にとってのハイブリットクラウドの解を目標としたサービスだと思います。

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