2015年9月23日水曜日

クラウド時代のライセンスを考えてみる(その2・Oracle編)

以前に、マイクロソフト系のソフトウェアライセンス体系について、クラウド上で必要なライセンスを見てみました。

では、MSと同じように基幹システムで利用しているOracleに関して、今回は見てみたいと思います。

実は、Oracle製品をvCloud Airで動作させるためには、DedicatedCloud、すなわち契約者占有型のクラウド環境でしか動作が認められていません。VPC、つまり共有型のクラウドでは、システム上は問題なく動作しますが、ライセンス的に稼働が認められていないことになります。

これは、vCloud Airだけに課された課題ではなく、一般的なクラウドサービスにおいてもライセンス上動作不可能なパブリッククラウドがあります。

これは、Oracleのライセンス体系が、物理ハードウェアに紐付いたライセンスに基づくためです。

vCloud Airの場合、Dedicated Cloudは、CPUやメモリーなどの各リソースは、顧客専用に割り当たっているため、その物理スペックに応じたライセンスを購入すれば、利用可能です。

一方、Virtual Private Cloud、つまり共有型の場合、vCloud Airは、HAの技術でどこかのノードにフェールオーバーする可能性があることと、メンテナンスやDRSによる負荷分散のためvMotionする可能性もあるので、Oracleがインストールされている仮想マシンが動作する可能性があるハードウェアのリソースすべての分のライセンスを購入する必要があります。

これは、オンプレミス環境でOracleを構築する際にも適用されます。
たとえば、2Way(2つのCPUを搭載したIAサーバー)を20台でvSphereでHA構成を組んでいた場合、ライセンスとしては、

CPUライセンスの場合
 2CPU × 20台 = 40vCPU

NUPライセンスの場合(たとえば10NUP手配の場合)
 10NUP(人数) × 20台 = 200NUP

の手配が必要となります。

仮想化におけるOracleのライセンスポリシーはこちらで確認できます。
https://faq.oracle.co.jp/app/answers/detail/a_id/2673/session/L3RpbWUvMTQ0Mjk4MDI5MC9zaWQvdjlBTnk5eG0%3D


OracleVMだったら、仮想マシンのライセンスだけでよかったはずですよねと思われている方もいるかもしれませんが、それはOracleVMが出た当初の話しで、現在は、ハイパーバイザー型の仮想化環境上で動作させる場合、その種類に関係なく同じライセンスの方式が適用されます。

こう考えるとOracleは、仮想化環境で動作させるには非常にハードルの高い製品となります。

ちなみに、AWSやAzureは、Oracleが使えるのはなぜ?と思われるかもしれませんが、これは、Amazon社やMicrosoft社が、Oracle社と個別契約を行い、あらかじめ多額のライセンス料をOracleに支払った上で利用可能となっているそうです。

vCloud AirのVPCでも、Oracle製品が利用可能になってほしいものですが、Oralce自信のライセンス体系が、クラウドファースト時代にちょっと合っていないレガシーな考え方ですので、こちらも見直してほしいものです。





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