2016年1月25日月曜日

Oracle SE2へのマイグレーション (保守契約がない場合)

さて、番外的に記載をさせていただいた、Oracle SE/SE Oneの販売終了とマイグレーションについてです。こちら、かなりの反響を頂き多くの質問を頂きました。
一度マイグレーションについてご紹介を致しましたが、紹介できていなかった質問を今日はお答えしたいと思います。

Q.現在Oracle SE Oneを10NUPで利用しています。部門個別ステムで動作しており、コストの関係から保守は購入時に1年分だけ購入し、2年目以降は保守契約をしていません。そのままで、導入後3年が経過しています。バージョンはOracle 11.2で、特にバージョンを上げる予定もありませんので保守契約は行わない予定でいます。このシステムにアクセスするユーザーが増えることになり、5NUPほど追加購入したいのですが、2016年3月以降は、Oracle SE Oneを購入することができないと聞いたのですが、この場合は、SE2のNUPを購入すればよいのでしょうか?

A.答えから行くとこの場合、既存Oracleの保守契約がないまま、SE2のNUPを追加して利用することはできません。SE/SE Oneに2016年3月以降にNUPを追加する場合、既存ライセンスがSE/SE Oneの場合は、まずSE2へのマイグレーションを行いマイグレーション後にSE2のNUPを追加することが可能です。
ということは、既存の11gは、12c(12.1.0.2)へアップグレードしないと行けないのでしょうか?いえ、そんなことはありません。SE2へマイグレーション後、ダウングレード権を行使して、11gを利用する形のライセンス体系が適用できます。
こうすれば、SE2のNUPを、既存11g環境に追加することができます。(実質。現行稼働しているOracleがマイグレーションされSE2のライセンス適用になっているため)

では、ここで問題になるのが、保守契約が継続されていないという点です。

さて、保守契約がない場合、まずSE2へのマイグレーションパスは一切存在しません。
つまりこのリクエストの場合、保守契約を復活させないのであれば、NUP追加はできませんので、すべてSE2でのライセンスに買い直してもらう形になります。(上記と同じく、SE2で既存分である10NUPと追加で必要な15NUPを購入する形で、既存DBは、再構築するかもしくはSE2のダウングレード権を行使して既存のものをSE2ライセンス適用として利用する形となります)

さて、買い直すという方法もありますが、保守復活という方法もあります。
ただ、保守復活の場合、保守切れから20日以内であれば、何とか通常の保守金額で手続きができるようですが、今回の場合、保守が切れて2年経過していることとなりますので、いわゆる保守遡りが発生します。つまり、保守が切れた2年目と3年目の保守金額を支払った上で保守契約を復活させることとなります。じゃあ2年分払えばいいのねと言う話しではありません。当然ながら遡りにはペナルティがあります。それは「1.5倍(150%)」という話しです。

(参考)
※但しOracleの保守は年数により保守料が異なります。そのため、2年目の保守金額と3年目の保守金額は異なります。

Oracleは、毎年保守金額があがる仕組みになっていますが、その金額に対してさらに1.5倍をかけた金額を遡り金額として支払い、はじめて保守復活となります。

この場合ですと、買い換えるのとどちらが安いのかがちょっと微妙ですが、保守契約を継続しないとこういった際に困ることが出てきます。
一時的なコストダウンにとらわれず、保守をきちんと支払うことでメーカーのサポート(トラブル対応やパッチ提供だけではなく)を受けることが必要だと思います。

さあ、これで疑問は晴れましたでしょうか...。

(参考)Oracle FAQより/一度解約した後、再契約する際にかかる料金を教えてください。
http://faq.oracle.co.jp/app/answers/detail/a_id/2822/p/387


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